特別ゆらぶら便2 ~隅田川上る
…からのつづき
8:20ごろ
受付をして、下船場所を「小豆沢」から「浅草二天門」への変更をお願いし、料金を払った。
さて、飲み物はお茶のペットボトルとホテルの部屋に有った水のペットボトルが有るから十分過ぎる。
問題は食べ物。
食堂が有るような船ではないし、弁当の販売が有るわけでもなかろう。
朝食用買っていたおにぎりを1個持っているけど、通常であれば足りない。買い足しすべきか?
しかし、果たしてちゃんと食事をとれる環境が有るのか?
浅草二天門着予定は、14:15となっている。下船してから飯にしよう。と決めた。
やることがないので、階段状のベンチに腰掛け、川を眺め、乗り場の方を見ると、もう数人が並んでいる。
8:40ごろ
列は20人ぐらいの長さになっていたので、オレも並ぶことにした。
船が上流から来た。
切り返しするんかと想像したが、難なくUターンして船着き場に着岸し、乗船が始まった。
予想どおり、お客さんの年齢は高め。
いや、「高め」は「控えめ」な表現かもしれない。
足が悪いというお婆さんもいる。
一人で参加している人も何人かいる。がほぼ2~3人組だ。
乗り込んだ人から屋上デッキに行くのだろう。と予想していたが、全員客席の方に向かう。
ついに自分の乗船となったが、最初から屋上デッキに上がったのはオレが最初だった。
その後、客席を確保した人を含め上がって来たけど、予想外だった。
「こすもす」というその船は、座席130名・定員200名となっている。
座席が百を越しているようには見えないのだが。
最初に「蔵前橋」を通過。
クリーム色をしているけど、当然塗り替えなどあろうが、色指定はそうしているのだろう?
DICの何番とか、PANTONEの何とかでやっとるんやろか?
デザイナーによっては、糞みたいなコダワリが有るから、標準色に有るような色を使いたがらなかったりするからな… 想像しただけで顔の真ん中を殴りたくなるわ。
おっと! やっぱりいましたか… 「ゆるキャン」!
しかし、どこで拾ったんか知らんけど、かつてはダンボールだったのにね。 まぁ、街中のガード下にいる「ゆるキャン」たちはダンボールか…
「厩橋」、「駒形橋」、「吾妻橋」を通過した後、「墨田区役所前」で着岸し、続いて向かいの「浅草二天門」に着岸する。
その後、「言問橋」、X型の「桜橋」、ユニークな形の「白鬚橋」といった怒涛の名物橋を過ぎると、沿岸の密集度が下がって、汐入公園の「水神大橋」を通過して「千住汐入大橋」が見えた頃…
屋上デッキに居る人は全員、下におりるように。との指示が有った。
は!?
いつの間にか近くに居た船員に「しゃがんでもおったらいかんの?」と聞くと、「決まりですので」という回答。
よく聞けば、デッキを撤収するという。
屋上デッキは恒久的なもの。と思い込んでいたオレは唖然とした。
その後の、常磐線、TX、日比谷線といった3本の鉄道橋が低いのだろう…
…いや、もしかしたら常磐線からの「おとしもの」が有って、デッキに居る人が汚物まみれになる事態が有るんやろ? 常磐線なら… ありうる…
それらの橋を通過する頃にはすっかり屋上デッキの手すりは畳まれ、ハッチまで閉められてしまった。
続く「千住大橋」を過ぎるまで屋上デッキに戻れなかった。
よく手を振ってくれる人がいる。
オレは振らないけどね。
以前、どこぞの観光地の橋の上で川を往く船を眺めとった時、はしゃいだ船の客から手を振られて、手を振り返したら、一層激しく手を振りやがって、そんな船が次から次に来て、次々にはしゃいどる客たちが手を振っとったんで「調子乗んなよ!何様のつもりや!」とそれ以来、船に乗ってはしゃぐ立場でも手を振らんのですわ。
お化け煙突を良く見渡せる場所だったという「尾竹橋」は塗り替えか改修工事か知らんけど、アーチ部に囲いが付けられていたけど、レゴっぽいというかピクセルっぽい。
こういったデザインでいいんじゃない?
あらかわ遊園は改修で休園中。 行ったことないし、行きたいとも思わんけど、経験として再開したら行ってみようかな? 体験してみんと悪口も言えんからな。
足立区の「みやぎ水再生センター」
こういった造形に弱いわぁ。
12月12日の東京の天気は、晴れ時々曇りで、気温は最高16.7℃、最低7.9℃で風も少なかった。
この新豊橋辺りになると、明らかに浅草辺りに比べ気温が下がって、指出しのグローブでは指がかじかんだ。
オレはハイブリッドダウンなる上着を着ていたけど、これより薄着だったら屋上デッキに居られなかったかもしれん。
現にこの時、デッキの人数少なかったもんね。
(風景が退屈ってのもあるかもしれんけど)
明らかに手書きやな? 清水寺のハゲ頭の年寄りに書かせるんやろか?
アーチなどの上部構造が無い橋は桁を支える脚が必要になって、その分川幅が狭くなるんだね。
なるほど。なるほど。
岩淵水門が隅田川と荒川を仕切っている。
ついに荒川か!と思いきや、船はここで左折し新河岸川に入る。
宇都宮線、高崎線、湘南新宿ライン、上野東京ライン、京浜東北線をくぐる。
非常階段なんか知らんが、どうしてこういった動線にしたんやろ? 一番上から出た人は2階下がって、再度建物の中に入らないかん。 …あ、階段で折り返したら、階段の出っ張りが大きくなるからか… 外階段は建ぺい率にカウントされるんかな? …などとオッサンは考える。
今度は、手前が道路の浮間橋、奥が埼京線、壁付きが東北新幹線と山形新幹線、北陸新幹線。
乗船中の「特別ゆらぶら便」の終点「小豆沢」。
岸に立っている人たちは、ほとんどココから乗船した。…たぶんココまで乗るんやろうな。
ここでUターンする。
波に映るマンションの影が面白い。 地盤の液状化が起こったらこんな感じで崩れ落ちるんかな。
先程来た川を逆行して戻る。
岩淵水門の巨神兵の様な姿が見えて来た。さて、今度こそ荒川。いざ荒川!
につづく