三沢基地航空祭 2022 前日譚
応募は「往復はがき」
千歳の航空祭は、web申請+QRコード入場券という、応募から入場までスマホだけで完結するシステムだった。
開催日の前に案内のメールが届いたり、至れり尽くせりで気持ちのいいものだった。
三沢の航空祭への参加応募は、「往復はがき」という昭和システムだ。
往復はがきが郵便局で販売されていることは知ってる。
郵便局の窓口が開いている時間に行ければいいんだけど日常のルーチンワークの中では行けない。
コンビニでも入手できるとのネット情報だったので数件のセブン・イレブンを廻ったけど「取扱なし」とのこと。
まずは入手につまづいた。
後日、開店直後の某郵便局で往復はがきを入手できた。入手後、早足で仕事に向かった。
往復はがきって昔は、折りたたんでいたような気がするのだが、現在は予め折られていない。
プリンターとか使う人にはこれが望ましいわな。
オレはプリンターを持っていない。折る必要がある。
改めて…
往 = ゆく。いく。すすむ。
復 = かえる。もどる。
「往信」とプリントされた方が表になって、「返信」とプリントされた方が… あれ「復信」ではないのか?
これでは「往返はがき」ではないか!?
往復 = 行きと帰り。行って帰ること。ゆきかえり。
往返 = (スル)行って帰ってくること。往復。おうはん。
うむ、当たり前で使っていたものが当たり前でなくなった為に、気付いた些細なコト。
…ってこんなコトで時間をとっている場合ではない。
次は宛名書きその他必要事項の記入は手書きしなければならない。
メモ程度の手書きは日常的にやってても、人に読んでもらうような清書的手書きは超久しぶり。
オレの書く文字は汚い。
せめて楷書でと書くが汚い。
手書きの文字を見る機会は減ったが、昭和の生き残りの目から見れば、頭の悪いヤツが書いた文字。
さて、今度は投函しなくてはならない。 ポストはどこだ?
どこかで、見かけた気がする。
あれはエロ本を入れるポストだったか? エロ本は無くなったので、白いポストの方が貴重か?
帰宅途中、おぼろげな記憶を頼りに、探してみる。 発見!
ポストの前に立ち、投函口が2つ有るが… と説明を読む。
左側に入れれば間違い無いようだが…
果たしてちゃんと収集しているのだろうか?
街中なので大丈夫だろうが、田舎の閉店している雑貨店店頭に有る小さいポストなど不安しかない。
投函した証拠は何も残らない。 不安だがどうしようもない。
「南無三!」と誰も言わない念仏を唱え投入。
はて、言ってはみたものの「南無三!」とはどんな意味じゃろか?と改めて調べる。
南無三 = 南無三宝
[名]仏・法・僧の三宝に帰依する意。三宝に呼びかけて、仏の助けを求める語。
[感]驚いたとき、失敗したときなどに発する語。しまった。なむさん。「―、こいつは困った」
子どもの頃にマンガで覚えた言葉だが、イメージが違っていた。
「後は野となれ山となれ」の方が今回のイメージに近い。
字が汚くて届かなかったら、泣くに泣けないが、泣かずに済んだ。
予想通り、スタンプをドカンと押したはがきが届いた。
はがきが届いてから2週間後が開催日だけど、超真面目な人たちが当落結果後に宿や交通手段を確保するとすごい争奪戦になりそう。
コロナ以前は、旅行会社がおさえている席も多かったし、どういった仕掛けなのか不明だが、席をおさえておいて、後でキャンセルする人たちも結構な数が居た。
だから、意外と数週間前に空席が出るコトが有るけど、これは見張っておく必要が有るので、なかなかの手間だったりする。
八戸駅周辺に泊まるべきだったのに
航空祭の朝に到着する高速バスの運行が有ったりするけど、このチケットもなかなかのプレミアムっぷりだ。
オレにとって深夜高速は、疲労と不快感としか残らないので、今年は調べてもいない。
中には、往復とも高速バスに乗る猛者もいて頭が下がる。
「ゆるキャン」の登場人物でさえ、そもそも絵なのに、1泊のキャンピング中、風呂に入るのに、こいつらは3日弱チンポを洗わないのだ。
三沢空港前には温泉レベルの銭湯が有って、お肌がツルツルになるとてもいいお湯だからさ、チンポ洗って来いよ。
三沢基地から歩いたら30分ぐらいかかるけどさ、タオルとか石鹸とかも売ってるよ。
…というワケで、遠方から行く人は、新幹線か飛行機で青森県入りするのだろうが、航空祭の時間割を考えると、前日入りするコトになるが、そもそも三沢市内に宿泊場所は少ないというか、日常的に需要が有るはずもなく、航空祭には全く足りない。
岩国で聞いた話だが、航空祭の「通」は、航空祭の日に来年の予約を入れるとのこと。
「他にすることないんか?」とも言いたくなるけど、そこは個人の自由なのでいいとして、こういった人が200人もいれば、三沢基地周辺のホテルは埋まってしまう。
そういうワケで、オレレベルの雑魚は、近隣の街に宿泊するコトになる。
それ以外にも宿泊施設は有るけれど、民宿だったり青森屋だったりして選びづらい。
以前、青森駅前にも宿泊したことが有るけど、満員の「青い森鉄道」に1時間以上揺られ、到着までに疲労困憊した。
逆方向の八戸駅から三沢駅は20分程度なので、今年は八戸方面だなと考えた。
そこまではよかったのだが…
旅行で青森には十数回通っているオレには、八戸市の中心街は、「八戸駅」ではなく「本八戸駅」の方だ。という知恵が有る。
「八戸駅」と「本八戸駅」の関係は、「新青森駅」と「青森駅」、「新大阪駅」と「大阪駅」、「新山口駅」と「山口駅」の関係と同じだが、後からできた新幹線駅の方に「新」と付けるカタチに慣れているオレは、本家の方に「本」を付けるカタチに馴染まない。
余談ながら、まだ現地に行ってないので、評価できないのだが、「新函館北斗駅」が「新函館駅」だったら「函館駅」に乗り換えられそうな気がするが、港町・函館の街の雰囲気ゼロの場所に有るので、よい命名だと思う。
同様な例で、港町・下関の雰囲気ゼロの場所に有る「新下関駅」は「新下関秋根駅」などへの改名が望ましい。
「尾道駅」から「新尾道駅」への乗り換えは、直線距離で3km程度だが、あの山のコチラとアチラでは別世界で、実質バスかタクシーを使うこととなるのでダメな命名だと思う。
駅名は、市長や地主、田舎議員など声のデカい連中に押し切られることなく、客観的冷静さをもって命名して頂きたい。
閑話休題。
新大阪駅と大阪駅の間が、直線で約 3.4kmなので、なかなか離れている。
なのに、「当然、本八戸駅周辺でホテル探すっしょ!だって、八戸に泊まるんだから。」と探し、予約を入れてしまった。
三沢駅へは「青い森鉄道」に乗る必要があり、「青い森鉄道」は八戸駅で乗り換えなければならない。
本八戸駅周辺の方が歴史が有り、飲食店などが充実しているので、街自体は八戸駅周辺より楽しいのだが、本八戸駅の始発の汽車は 6:13 で、次発は30分後の 6:43 。
本八戸駅始発の汽車が八戸駅に到着するのは 6:35 で、接続する「青い森鉄道」は 6:54発。
一方、「青い森鉄道」の八戸駅の始発は 5:43 で、約1時間早く出てしまっている。
どうせ、航空祭の前日は、八戸市内の宿泊施設は全てプレミアム価格なので、八戸駅周辺で確保するのが正解なのだ。
まあ、オレは最前線の争奪戦には加わらないので、開門前から行かなくてもいいんだけど、なにしろ三沢基地航空祭の入場待ちの列は絶望するぐらい長いので、オープニングフライトにはゆっくり間に合うよう、早く行きたいんだよね。
八戸駅周辺にも宿泊したこともあるのに…
3年ぶりでボケてしまった。
失敗はまだ有る。
オレは土曜日に八戸入りのスケジュールを組んでしまった。
三沢基地航空祭の「前日の土曜日」には八戸基地航空祭が有るというシキタリをすっかり忘れていていたのだ。
八戸へは新幹線を選ぶ人が多いのだろうけど、オレは新幹線が好きじゃない。
小さい飛行機だが、空席が有ったのでサクッと予約を入れたのだ。
後日、八戸基地航空祭開催決定の情報が入り。
「あちゃ~」と膝から崩れてしまう。
オレが選んだ便は 11:50 に三沢空港到着する便。
三沢空港から八戸基地への移動手段は公共交通が無い。
1日7便しか離発着しない空港に、そんな客はいない。
実質タクシーしかないが、ネット検索すると43分かかって9,190円と出た。
オレはタクシーは最上級の贅沢な乗り物と思っているので、この手段は使えない。
バスと電車で八戸に出て大回りできないワケではないが、「三沢空港通」という三沢空港前のバス停は余所者には経路が分かりづらいコミュニティバスと十鉄バスが朝と夕の便しか無かったりして、よく分からん。
そもそもコミュニティバスの方は航空祭の前日と当日は運休されるんじゃなかったっけ?(日曜日はそもそも便が無い。土曜日は過去の経験)
実はウルトラCの方法も有る。
この方法を使えば、運が良ければ13時過ぎに八戸基地に到着できる計算が机上では成立する。
この方法は太川陽介だったらチャレンジするが、蛭子能収だったら諦める。そんな方法なんだよね。
八戸基地航空祭は例年 15:30 終了なので、2時間ぐらい祭を体験できる計算になるが、どうしたものか?
八戸基地航空祭も往復はがきでの応募が必要なので、準備だけはしておく。
その時の天候や交通状況と、オレのテンション次第だが…
数年前の三沢基地航空祭の後、東北新幹線で帰宅することにしたのだが、東北新幹線は全席指定で自由席は無い。
乗車するのは自由だが、お盆や正月のように東京まで立つことになる。
遅い時間には空席も出てくるから、19時ぐらいまで駅前で飲んでいてもいいのだが、新幹線は東京まで3時間ぐらい掛かるので、翌日が辛くなる。
予め新幹線の席予約をしておけばいいのだろうけど、航空祭が終わって、八戸駅に着ける時間が全然読めない。
時間の余裕を持って確保できた席が通路側で、隣に「足が痛い」と泣きそうな女の子が立っていたとする。
「座る?」と席を譲ると、小5ぐらいの兄貴が人にぶつかりながら走って来て、妹の隣に尻をねじ込む。
兄貴はゲーム機を取り出し遊びだし、妹は覗き込む。
ゴソゴソと落ち着きが無いので、オレの足を蹴ったりするけど気にしない。
吸えるはずないのに、たばこ臭い、根本が黒くなった茶髪のお母さんもやって来て、「ちゃんとお礼言った?」と兄貴を小突く。
兄貴はゲーム機から目を反らすことなく、「ありがとう」と言う。
お父さんは、ドレスアップした中古のアルファードに乗っているようなチンピラ家族だな。とオレは思う。
お母さんはラップに包んだツナのサンドイッチを子どもたちに渡し、親子3人で食べる。 他人が食うツナサンドは意外に臭い!
お母さんがオレの存在を思い出し、「食べます?」とラップを外したツナサンドを差し出す。パンに指の跡が見える。 やっぱり臭い!
「いえ。結構です。」と手を振って断る。
いたたまれなくなって、オレはその場を離れる。
…地獄だ。
ということで、航空祭の後に電車で帰宅するのは嫌なので、オレは航空祭の翌日ゆっくり帰宅する。
…ということで、後泊の予約まで入れたのに、前々日泊すべきだったということに気づかなかった。
以上のような失敗を重ね、三沢に行く。